【特集図書・2022年6月】

BKC学生ライブラリースタッフです。

徐々に夏の兆しが感じられる時期になり、街でも半袖を来た人の姿が目立つようになってきました。梅雨時期に外へ出かける気分にならないあなたへ。図書館へ出向き一冊本を手に取ってみてはいかがでしょうか?運命を変える、そんな一冊に出会えるかもしれません。

Ekiben』、Aki Tomura、IBC Publishing 、2015年

 「駅弁」は日本独自の文化ですが、意外と私たち日本人もあまり知らないと思います。本書では、一風変わった駅弁を写真付きで紹介しています。この本の一番の特徴としては、お弁当の説明が英語と日本語の両方で書かれている点です。そのため、英語の勉強にも役立つと思います。また、全てのページがカラー印刷となっており、見ていて非常に楽しいです。決して授業中には読まないでください。お腹が空いて、授業どころではなくなってしまいます。 

十角館の殺人』、綾辻行人、講談社、2007年

 紹介孤島・角島で 十角形の奇妙な館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上した青屋敷で焼死した。事件に興味を持ち館がある無人島を訪れたミステリ研の大学生7人は次々と殺害される。一体誰が犯人なのか……。 それと同時期に、元・ミステリ研の江南の家にある手紙が届く。その手紙には謎めいた文章が記され、差出人には死んだはずの「中村青司」の名前が。二つの事件が交錯する本格ミステリ。あなたは推理できますか?

封印された「倭」の謎』、井沢元彦、小学館、1993年

 この本を読むと、痩せます。ものすごく、カロリーを消費します。ダイエットにおすすめです。やばいです。冗談はさておき、TBSの報道局記者だった著者が、史料に書いてあることだけではなく、常識だからと史料にも残らなかったことにも目を向け、呪術的な側面も取り入れた独自の歴史観で、日本に切り込むシリーズ「逆説の日本史」第1巻。なぜ、「聖徳太子」という名前なのか。どうして、出雲大社の注連縄はほかの神社と逆向きに巻いてあるのか。鳥肌立つこと間違いなし。刮目せよ。

そして、僕はOEDを読んだ』、アモン・シェイ、三省堂、2010年

 辞書は調べもののために一部が読まれることはあっても、すべてが読まれることは少ない。辞書は本であっても、読み物とはみなされないものかもしれない。本書は辞書好きである著者が、20巻以上から成るオクスフォード英語辞書、通称OEDを読破するまでの記録である。辞書という身近にあって読まれないものを読む「辞書読み」とは、どんな未知の世界だろうか。そこにはどんな魅力があるのか。本書を開くことで、辞書という古くて新しい本の読み方が見つけられる。

怖くて眠れなくなる化学 』、左巻健男、PHP研究所、2020年

 天かすやアルミ缶、石けんなどは身近にありますよね。しかし、それらも使い方によっては大変危険です。この本では、そういった身の回りにあるものを、化学の視点から分析しています。私たちが起こしうる事故に関しても、多数紹介しています。文字が大きく、説明が簡潔なので非常に読みやすいです。少し読むだけでも得るものがあるので、ぜひ一度手に取ってみてください。

ジェノサイド』、高野和明、角川書店、2011年

 ジェノサイド:民族・人種集団を計画的に破壊すること 。 アメリカ合衆国大統領・バーンズ、バグダッドで活動している傭兵・イエーガー、そして日本の大学院生・古賀研人。住む世界も背負っているものも、何もかもが異なる彼らは「何を」きっかけに繋がっていくのか――。アメリカ、中東、アフリカ、日本、舞台を変えながら、自分たちとは異なるものを排除しようとする人間の心理を描き出します。

向日葵の咲かない夏』、道尾秀介、新潮社、2008年

 この本、やばそうな香りはしませんが、実は、結構やばいです。夏休みを迎える終業式の日、先生に頼まれて欠席した級友S君の家を訪れた”僕”。”僕”はそこでS君が首をつって自殺しているのを発見する。しかし、驚いたのも束の間、なんと今度は死んだはずのS君があるものに姿を変えて“僕”の目の前に現れたのである。しかも、S君は“僕”の妹、ミカを天敵だと言う。S君は、”僕”に「僕は殺されたんだ」と訴え、”僕”は、S君、ミカと共に真相究明に身を乗り出す。そこに待ち受ける結末とは…

生物から見た世界』、ユクスキュル, クリサート著 ; 日高敏隆, 羽田節子訳、岩波書店、2005年

 生物から見た世界は、人間の世界とは異なった世界だろうか。著者は、生物から見た世界を環世界と名付け、その世界がどんなに多様で不思議な世界か紹介している。知覚や身体の異なる生物にはそれぞれの環世界があり、生物はそれぞれ独自の世界の中を生きている。生物の行動は、反応や刺激に対する単なる反応ではなく、環世界あってのものだと唱えた著者の今なお新しい科学の古典。