【特集図書・2023年2月】

 衣笠学生ライブラリースタッフです。

  寒さのなかにも春の訪れを感じるころとなりました。新型コロナウイルス感染症対策のための規制がゆるくなってきている昨今ですが、感染する恐れがなくなったわけではありません。自分を含め、大切な人のためにもお身体にはお気をつけください。さて、今回お届けする特集図書は「大切な人に贈りたい本」です。大切なあの人を思い浮かべながら読んでみてください。

増補版 笑って生ききる:寂聴流 悔いのない人生のコツ 』、瀬戸内寂聴 、中央公論新社 、2022年

 今、悩みや不安を抱えていてネガティブな思考になっていませんか?他人と自分を比較しすぎてつらくなっていませんか?99歳まで生きられ、小説家であり、天台宗の尼僧でもあった瀬戸内寂聴さん。たくさんの経験をしてきた寂聴さんからのありがたいお言葉でポジティブ思考に気持ちを一新できる一冊です。

「フランスの最も美しい村」全踏破の旅』、吉村和敏、講談社、2017年

「フランスの最も美しい村」の認定は、質の良い遺産を多く持つ田舎の小さな村への観光促進を目指す協会により、厳密な基準のもとに審査・公認されます。綺麗な写真と説明でフランスの村を楽しむことができる、全156村の美しい風景とそこに暮らす人々の姿を写したガイド写真集です。 

あとは切手を、一枚貼るだけ』、小川洋子・堀江敏幸、中央公論新社、2019年

 ある男女の往復書簡。美しくみずみずしい言葉で綴られる思い出はどこまでが現実で、どこまでが夢想なのか。小川洋子と堀江敏行が織りなす詩的で静謐な世界。 

がんに不安を感じたら読む本』、本荘そのこ、光文社、2014年

 がんは他人事ではない病気です。もし大切な方がかかってしまったらと不安になるでしょう。本書はがん患者の娘として、また、元がん患者でもあった著者がその体験とがん治療について執筆されたものです。インターネットで情報が錯誤する中、誤った知識を身につける前にぜひ読んでみてはいかがでしょうか。 

にっぽん猫島紀行』、瀬戸内みなみ、イースト・プレス、2017年

ペットとして高い人気を誇っている「猫」。しかし、言い換えれば人の活動に巻き込まれている、私たちと同じ生命を持った動物です。猫の数の増減も人が関わっています。これだけだとネガティブな気持ちになってしまいますが、幸せな猫の姿も人を幸せな気持ちにさせてくれる関係性も持ちます。この問題について考えるとともに、猫に幸せな気持ちにさせてもらえる一冊です。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

フェルメールの絵画空間 : 図学から読み解く』、佐藤紀子 、美学出版、2022年

画家の信念と幾何学を図学的な手法によって結びつけ、絵画にある見えない秩序を読み解きます。普段は心で絵画を鑑賞するあなたも、新たな視点を得られるかもしれません。 

ぼくは明日、昨日のきみとデートする 』、七月隆文、宝島社、2014年

京都の美大に通うぼくが交際することになったのは、電車で一目惚れした憧れの彼女でした。運命の二人の甘くて切ないラブストーリーにあなたもきっと心動かされるでしょう。大切な人との時間を大切にしようと思わせてくれる一冊です。 

結論は出さなくていい 』、丸山俊一 、光文社 、2017年

学生時代は「結果よりもその過程が大事」といったことを言われていても、社会に出れば「それは役立つものなのか」と、結果や結論を追求されることが多くあります。そのような日々に疲れ果て、自身の存在意義のようなものを見失う。しかし、結論を求めるのではなく過程が大切である。このことに改めて気づかされる一冊です。