【特集図書・2021年12月】

こんにちは。立命館大学BKC学生ライブラリースタッフです。

 今回の特集図書のテーマは「恋愛」です。今年も12月となり、痛みさえも伴うほどの寒さが際立つ季節がやってきました。そんな冬にこそ、胸が熱くなるような恋愛に関する本を読んで、心から温まるのはいかがですか? 中には、少しほろ苦さの感じるものもあるかもしれません。是非、ご賞味ください。

恋のゴンドラ』、東野圭吾、実業之日本社 、2016年

 この恋の行方は天国か、それとも地獄か。 都内で働く主人公は、合コンで知り合った友人とスノボ旅行に行くことになりました。 ところがゴンドラに同乗してきた女性グループの一人は、同棲中の婚約者。ゴーグルとマスクで顔を隠していたため、山頂までバレずに済みましたが、みんなが真冬のゲレンデに巻き込まれ、衝撃の愛憎劇へと発展していきます。完璧な愛に必要なのは、愛以上の覚悟が必要です。

ラヴレターズ』、川上未映子、村田紗耶香ほか、文藝春秋、2019年

 みなさんならどんなラブレターを贈りたいですか? SNSで簡単にメッセージが送れるようになった現代社会、普段は言えない想いを誰かに文章で伝えることは大事ですよね。 この本では、作家や俳優、映画監督など様々な著名人が自らの恋心をラブレターに載せて贈っています。恋する対象は恋人だけではなく、両親、友達、先生、おじさんなど様々です。心が温まる文章をみなさんも書いてみませんか?

日本人の「男らしさ」 : サムライからオタクまで「男性性」の変遷を追う』、サビーネ・フリューシュトゥック, アン・ウォルソール他、明石書店、2013年

 あなたにとって男らしさとは何ですか。そもそも日本人の男らしさとは何でしょうか。 本書は、海外のジェンダー研究者らが日本人の男らしさについて研究した論文を纏めた本になります。侍からサラリーマン、オタクに至るまでに移り変わってきた日本人の男らしさについて、歴史を振り返りながら解説されています。また、機械化・デジタル化によって変わる日本人の男性性についても考察されています。オタクの新しい恋愛の形についても述べられており、現代日本人男性ならではの恋愛についても学べる一冊になっています。

片想い』、東野圭吾、文藝春秋、2004年

 主人公の哲郎は、大学時代のアメフト部の飲み会の後、10年ぶりに会った元マネージャーの美月から、彼女が性同一性障害であること、そしてある人物を殺したことを告白されます。 本書は、ジェンダーや友情、絆がテーマのサスペンス小説であり、著者が得意とするミステリーやスポーツ、社会問題の提起がひとつになった作品です。少し長いですが、カオスな作品が読みたい方、報われない恋をしている方におすすめです。

ノルウェイの森』、村上春樹、講談社、1991年

 18年という歳月が流れ去ってしまった今でも、あの時の記憶はまだよみがえる。37歳の渡辺はハンブルク空港に到着した飛行機のBGMでビートルズの「ノルウェイの森」を聴き、激しい混乱を覚えて、学生時代のことを回想しました。それは人たちそれぞれの欠落と悲しみで織った現実と愛の物語です。人はあなたを愛していますが、あなたを理解しているわけではありません。人はあなたを愛していないが、それをあなたに教えることはありません。人はあなたを愛し、あなたを理解していますが、一緒にはいられません

「出会い」の心理学』、都留春夫、講談社、1987年

恋愛には「出会い」が重要です。「話したい人がいるけど、話す勇気がない。」「どうやって会話したらいいんだろう。」そんな不安を感じることはありませんか?この本では出会いの中で変化する心理や態度を実際の事例をもとに解説しており、人間関係を築くための心構えや姿勢を知ることができると思います。新しい出会いに怖がらない、勇気をもらえる一冊です。

オンラインデートで学ぶ経済学』、ポール・オイヤー著 ;土方奈美訳、NTT出版、2016年

 「オンラインデートは職探し、自分を選んでくれる女性の中から最適な女性を選ぶ」 近年、マッチングアプリの利用者は男女問わず急増しているようです。本書は、そんなマッチングサービス(オンラインデート)を経済学の様々な理論で分析、考察した本になります。経済学者である筆者自身の経済学の知見と、オンラインデートの利用者としての経験を交えながら、生々しい恋愛の損得勘定や駆け引きを解説しています。これを読めば、恋愛を客観視できるようになるだけでなく、経済学の用語の勉強にもなるので、一石二鳥です!

リレキショ』、中村航、河出書房新社、2005年

 「姉さん」に拾われて、「半沢良」として生きることになった僕。ガソリンスタンドでバイトを始めた僕は、突然女の子にラブレターを渡されます。本書は、誰もが一度は感じたことがある「今、この瞬間が終わってしまうのが惜しい」という感覚を追体験できる一冊です。また、著者特有の全てを語らない言い回しは、読了後も想像力を刺激します。登場人物が少なくセリフが多いので、読書が苦手な方にもおすすめです。