【特集図書・2021年10月】

 こんにちは。立命館大学衣笠学生ライブラリースタッフです。

 今回お届けする特集図書のテーマは『刺激的な本~脱・中だるみ~』です。秋セメスターもいよいよスタートですね。しかし、夏季休暇を終えての秋は、中だるみもつきものです。そこで、学生ライブラリースタッフが刺激的な本をチョイスいたしました。読書の刺激で中だるみに勝って、秋セメスターもがんばりましょう。 

1998年の宇多田ヒカル』、宇野維正、新潮社 、2016年

 宇多田ヒカル、椎名林檎、Aiko、浜崎あゆみ、日本の音楽シーンにその名を鮮明に刻みつける歌姫たち。その偉大な才能は如何にして出現したのか?彼女たちが揃ってデビューした奇跡の年、史上最もCDが売れた年、1998年を起点に、今もなお活躍し続けるトップアーティストたちの本質に迫る一冊です!! 

妻が椎茸だったころ 』、中島京子 、講談社 、2013年 

 インパクトのある不思議な題名から分かる通り、内容も不思議で現実世界にあるようでないお話です。人への執着、花への妄想、石への煩悩など、ちょっと怖くて愛おしい5つの偏愛短編集です。タイトルのお話は、亡くなった妻が通っていたお料理教室に夫が代わりに行くところから始まります。読みやすい本なので、是非手に取ってみてください。 

残穢 』、小野不由美 、新潮社 、2012 年 

 超絶怖い長編小説を読んで、皆さんの中だるみを解消しませんか?この本は映画化もされたホラー小説です。何の変哲もないマンションで起きる怪奇現象。いるはずのない赤ん坊の泣き声。床下を這いつくばる気配。キーワードとなるのは死による汚れの「死穢」です。 

生き残った者 鹿の王 上』、上橋菜穂子 、KADOKAWA、2014年 

  「守り人」シリーズや「獣の奏者」シリーズで知られる上橋菜穂子の作品で、この秋、アニメ映画化される一作です。謎の疫病が蔓延する世界で、生き抜く血のつながらない父子と、疫病に立ち向かう医術師らの姿を描くファンタジー小説です。児童文学だからこそ描き出せる深く、優しい世界観に心奪われる一冊です。 

神と旅する太夫さん:国指定重要無形民俗文化財「伊勢大神楽」』、北川央著;北川、出水伯明写真、岩田書院、2008年 

 「伊勢大神楽」という神事芸能について記した本です。古来、神に奉納する音楽として親しまれてきた神楽ですが、現在ではお祭りや獅子舞のイメージでネットや店舗のBGMとしても使われています。神楽はテンポもよく非常に胸が熱くなります。神楽の音色に思いをはせて、中だるみ時期の刺激にしてみてはいかがですか?

沈黙』、遠藤周作 、新潮社 、2003年

 17世紀の日本。キリスト教に対する過酷な弾圧に苦しむ人々と、それでも神の教えを広めようと来日した司祭たちを通して、神の信仰とその意義について描かれた一冊です。著者、遠藤周作自身の棄教経験も踏まえられていると言われ、ハリウッドでの映画化もされた、世界に名を馳せる作品です。 

論理力を伸ばすストレッチブック 』、辰野友彦、Wセミナー編著 、早稲田経営出版、2009年

 題名の通り、頭をストレッチして論理的思考力を伸ばしてくれる本です。難しい文章を読み疲れて、書くことにも疲れて逃げ出したいそこのアナタ!簡単なドリルを解いて、凝り固まった脳をほぐしてみませんか?法科大学院適性試験を題材にしていますが、何学部の方にも面白いと思います! 

イニシエーション・ラブ 』、乾くるみ、文藝春秋 、2007年 

 「最後の2行」でジャンルが変わります。甘くてちょっとビターな青春が描かれています。ただの恋愛小説だと思って本を閉じたあなた!最後まで読まないと1000%損します。結末が気になって検索をするのも禁止です。とりあえず最後まで読んでください。そしてもう一度読み返すはず。