【特集図書・2020年10月】

 今月のテーマは「懐古趣味」。大学生になった今、新たな視点で昔好きだった宝物やおはなし、物語などの世界にもう一度浸ってみませんか?そこには成長したからこそ見えてくるものがあるかもしれません。

ねじまき片想い』、柚木麻子著、東京創元社、2014年

 小さい頃おもちゃがあるとわくわくしませんでしたか?この本では凄腕おもちゃプランナーが片想い相手のために、おもちゃを使ってトラブルを見事解決していきます。恋のために探偵や女子大生、さらにスリ師にも!?変身する主人公。恋愛や友情、ミステリーと要素が盛りだくさんです。最後まで楽しませてくれるおもちゃ箱のような一冊。心のビタミン補給にぜひ!

だれも知らないムーミン谷』、熊沢里美著、東京:朝日出版社、2014年 

 いまや、街を見渡せばいつも私たちの側にいるムーミン谷の仲間たち。可愛らしい見た目の彼らが、実は北欧世界の神話に登場するトロール(妖精)の仲間である事を知っていますか?子供向け小説と侮るなかれ、その裏側にはとても深い世界が広がっているんです!
 あなたもムーミン谷の秘密を垣間見てみませんか。合わせて、原作小説もぜひ読んでみてくださいね。

赤毛のアンと世界一美しい島』、マガジンハウス編、マガジンハウス、2014年

 カナダはプリンス・エドワード島。キルトを織る人々のそばで、海を見守る灯台。島一帯に広がる赤土、穏やかに流れていく時間。そこはまさに、児童文学『赤毛のアン』の世界。アン、そして作者モンゴメリが見たであろう美しい島の風景を、たくさんの写真とともにあなたも眺めてみませんか。
作品を読んだ事がある人もない人も、きっと心がほっこり暖まるはず。

ずがこうさく1・2下』、日本児童美術研究会著、日本文教出版、2010年 

 小さい頃、工作が好きでした。おもちゃなどを作ることが楽しかったです。工作の本をみて、自分もこんなものを作ってみたい!と思い、チャレンジしていました。図書館で、図画工作の教科書をみつけ、懐かしい気持ちになりました。また、身近な材料でこんな壮大なものも作れるのか!という、新たな発見もありました。

トップクリエイター26人のアイデアノート』、ブレーン編集部著、宣伝会議、2014年

 私は幼い頃から文房具、特にノートが好きで、真っ白なページを捲っては何を書こうかと胸を躍らせていました。この本は、日本の様々なジャンルにおけるトップクリエイター達のアイデアを生むノートの使い方を披露しています。ノートを使うのは学校に行く子供だけと思っていた私に、大人になってもノートを使い創造し続ける姿は感動でした。デジタル化が進む今、あえてアナログなノートで人生の筆跡を残してみませんか?

プーと私』、石井桃子著、河出書房新社、2018年 

「クマのプーさん」をはじめとした翻訳や、児童文学作家として知られる石井桃子さん。ピーター・ラビット、ドリトル先生、絵本「ちいさいおうち」など、幼少期に彼女の翻訳に触れてきた人も多いのではないでしょうか。翻訳上の苦戦や海外滞在記などの背景を知ることができ、どこか懐かしい気持ちになれるエッセイ集です。

ディズニー・プリンセスのゆくえ 白雪姫からマレフィセントまで』、本橋哲也著、ナカニシヤ出版、2016年

 「プリンセスになりたい!」

 小さいときにそんな憧れを持っていた、または今も持っている方はいらっしゃいませんか。本書はディズニー・プリンセスのお話を学術的な視点から分析したものです。取り上げられているお話は古典的なプリンセスものから「魔法にかけられて」、「アナと雪の女王」まで!あなたの好きなプリンセスが出てくる章から読んでも面白いでしょう。

大人の恐竜図鑑』、北村雄一著、筑摩書房、2018年 

 恐竜が好きだった時期がある子は多いのではないでしょうか?
子供の時は図鑑を見ても説明を見ずに絵にばかり意識が生きがちですが、恐竜の世界はまだまだ奥が深いです。
今一度童心にかえって恐竜たちの歴史に思いを馳せてみませんか?