【特集図書・2020年8月】

 

 こんにちは!学生ライブラリースタッフです。

 今回お届けする特集図書のテーマは『オリンピック、パラリンピック』です。
2020年開催の東京オリンピック、パラリンピックは残念ながら新型コロナウイルスの影響で延期となってしまいましたが、今月の特集本を読んで、来年に向けて今から熱量を上げていきましょう!

 学生ライブラリースタッフのお薦めコメントは、以下からご確認ください。なお、図書館に対するご要望等は、図書館ホームページよりお問い合わせください。

IOC : オリンピックを動かす巨大組織』、猪谷千春、新潮社、2013年

 オリンピック関連の話題の度によく登場するIOC(国際オリンピック委員会)。名前は知っているけども何をしている人達なのか知らない方も多いのではないでしょうか。本書では、30年にわたるIOC委員歴を持つ著者がIOC内部やIOC委員の仕事を紹介しながら問題提起をしていく内容となっています。本書の内容で特に驚いた点が2020年の東京五輪が決まるまでに、東京は戦後、候補地に10回立候補しており、中止となった時も含めて2度なっている点です。五輪招致には様々な方達の努力があるので現状開催が危ぶまれていますがオリンピック、パラリンピックを目標としている選手のためにも開催できればと願わずにはいられません。

パラリンピックを学ぶ』、平田竹男, 河合純一, 荒井秀樹、早稲田大学出版部、2016年

 パラリンピックはチケットの売り上げも高く、2012年のロンドンパラリンピックは大きな成功を収めるなど、欧米では注目されているのですが、日本ではあまり注目されていないという現状があります(同大会は毎日1時間のハイライト中継のみでした)。本書はこの現状を研究テーマとした著者が学生たちにわかりやすくパラリンピックの知識や種目を教えた講義を本にまとめた一冊となっています。多くの図や写真が使われており、初学者にとって抵抗なく読める一冊となっています。本書を読み、パラリンピックに触れた後、東京五輪が開催できた際にはオリンピックだけでなくパラリンピックも楽しんでもらいたいです。

オリンピックはなぜ、世界最大のイベントに成長したのか』、マイケル・ペイン著 :
保科京子, 本間恵子訳、グランドライン、2008年

 今、私たちの中で、オリンピックは4年に1度のとても大きなイベントで、開催されることがごく普通のことになっている。しかし、実は25年前、世界的に有名なオリンピックを開催している組織は消滅の危機に追いやられていたのである。このようにしてオリンピックが存続して今も人気なイベントであるのは、開催している人々の先を見通す能力とたくさんの努力の賜物である。この本には、オリンピックが世界最大級のイベントである理由やその舞台裏の話が綴られており、オリンピックについて興味を惹かれる内容であった。

五輪を楽しむまちづくり:ロンドンから東京へ』、喜多功彦、鹿島出版会、2015年

 8年前に開催されたロンドンオリンピックを皆さんは覚えていらっしゃいますでしょうか。開催地であるロンドンは東京と同じ「成熟都市」であり、東京大会ではロンドンと同じように大会後まで見据えて開催しなければならないとロンドン五輪に携わり続けた筆者は述べています。ロンドン五輪の裏話、大会後の建築物の利用方法についてなどあまり知られていない「五輪のその後」に触れられる一冊です。