【特集図書・2019年12月】

 こんにちは!学生ライブラリースタッフです。

 今回お届けする特集図書、テーマは『表現の自由』です。憲法で守られた表現の自由。でもそれによって不快に感じる人がいたりしたらどうでしょうか?もしくは誰かを傷つけていたら?今回はそんな「表現の自由」について深く考えさせられる図書4冊を紹介します!

ヘイトスピーチってなに? レイシズムってどんなこと?』、のりこえねっと編、七つ森書館、2014年

 巷でヘイトスピーチやレイシズムという言葉をよく耳にします。しかし、なぜ、このような言葉ができたのか、また、ヘイトスピーチを行うことになった歴史的背景については詳しく知らない人も多いでしょう。本書では、ヘイトの根本的な問題点、ヘイトに対する短期的、長期的対策案などを様々な専門家や立場の方が語っています。日本には表現の自由という権利があるため、法律で言論を規制することは難しいです。しかし、1人1人が相手のことを考えて行動するようになれば、世論によって規制ができるかもしれないと思いました。

SEKAI NO OWARIの世界 : カリスマバンドの神話空間を探る』、中村圭志、サンガ、2015年

 物語の世界のような独自の世界観をもつ日本人4人組バンド「SEKAI NO OWARI」。2019年も台湾・韓国・中国などアジア5都市をまわるツアー「The Colors」(香港は中止)を成功させ、その楽曲・表現の独自性は世界からも支持を集めている。本書はそんな彼らの表現する世界観を楽曲とともに紹介していく。読めばセカオワの世界がもっと楽しめること間違いなしの1冊!!

「表現の自由」の明日へ』、志田陽子、大月書店、2018年

 万人が「発信」できる時代だからこそ、考える。TwitterなどSNSによって距離なく誰もが誰もに表現する時代。しかし、個々人の偏見や中傷はもちろん、独自のマナーの押し付けなど「表現の場」は混とんとしている。さらに、あいちトリエンナーレの騒動のように「表現の場の混乱」は広く波及している。そんな時代だからこそ、読んでおきたい「表現」の基本。

エロスと「わいせつ」のあいだ』、園田 寿・臺 宏士、朝日新聞出版、2016年

 表現の自由は憲法の下で保障されなければなりませんが、一方で法律により規制されることもあります。性表現もその一つです。明治時代から性表現は様々な場面で規制される一方、表現の自由を掲げ戦う者もいました。本書は戦後の性表現を賭した、自由と規制の戦いをまとめたものです。表現の自由と規制の境界はどこにあるのか、近年興隆する性表現規制問題を考える手がかりの一つになるのではないでしょうか。