【特集図書・2019年1月】

 明けましておめでとうございます。

 お正月休みも明け、定期試験が迫って来ましたね。インフルエンザが流行ってきていますので、体調にはお気をつけください。
 さて、今回お届けする特集図書のテーマは、『平成を振り返ってみよう』です。様々な出来事があった平成も残すところ後僅かとなり、5月になれば新元号になります。学生の皆さんの多くは、元号の変わる経験をするのはこれが初めてなのではないでしょうか。特集図書をお供に、平成に起こった出来事を振り返ってみませんか?

サッカービジネスの基礎知識 : 「Jリーグ」の経営戦略とマネジメント』、広瀬一郎、東邦出版、2017年

 Jリーグは平成3年(1991年)11月に設立された日本初のプロサッカーリーグであり、現在、J2 J3を含めれば54あるチームも当初は10チームからのスタートでした。本書ではJリーグのこれまでとこれからについてビジネスの観点から紹介しています。平成初期の激動の時代からどのようにプロサッカーリーグをビジネスとして確立させ、世の中に定着させていったかの軌跡をぜひ読んでみませんか?

談志楽屋噺』、立川談志、文芸春秋、1990年

 平成後期に入ってから、ドラマや書籍で落語が題材になることが多くなりました。その礎を作ったのは立川談志で間違いないでしょう。『笑点』を発足し、参議院議員にもなり、落語協会を脱退した談志ですが、観客に対しては誰よりも長く深く頭を下げることで有名でした。そんな彼は楽屋を「人生の重要な修行の場」と評しています。楽屋で出会う有名無名の芸人たち。落語界の哀歓と高座への思いが交錯する本作は、芸をつなげるということの重みと先人たちの悔やみ、それを受け取る現代の噺家たちの覚悟が垣間見える作品です。

羽生善治挑戦する勇気』、羽生善治、朝日新聞社、2002年

 平成8年(1996年)2月14日に史上初の七冠を達成したのは羽生善治でした。そこから21年、平成29年(2017年)には永世七冠を達成しました。本書では、将棋界をリードし続ける「天才」羽生善治が将棋と出会い、そして将棋から得た「勝負に対する姿勢」が書かれています。最終章では小学生からの一問一答が収録されています。羽生善治という「天才」の一面を見てみませんか?

棒を振る人生 : 指揮者は時間を彫刻する』、佐渡裕、PHP研究所、2014年

 平成23年(2011年)、日本が誇る指揮者・佐渡裕は、ベルリンフィルハーモニー管弦楽団で指揮を執りました。これは、小澤征爾に次ぐ日本人2人目の快挙であり、一躍話題となりました。この本は、指揮者・佐渡裕が指揮者としての人生を語った本になります。20世紀の巨匠・カラヤンとバーンスタインの違い、ベートーベン「第九」の魅力などを見つめながら、指揮者とは何か、音楽の力とは何かが語られています。音楽好き、特にクラシック好きな方にオススメです。ぜひクラシックを聴きながら、読んでみてください。

「進撃の巨人」と解剖学 : その筋肉はいかに描かれたか』、布施英利、講談社、2014年

 『進撃の巨人』は別冊少年マガジンで平成21年(2009年)10月号から連載中の諫山創による漫画作品です。平成25年(2013年)にはアニメ化され、様々なメディアミックスが展開されて社会現象にもなっている大人気作品です。本書では著者が「美術解剖学」の観点から『進撃の巨人』の魅力について語っています。実際の漫画のコマなどを示し、人体の仕組みについて学びながら作品の要である「巨人」の謎に迫っていきます。

蹴りたい背中』、綿矢りさ、河出書房新社、2007年

 「さびしさは鳴る。耳が痛くなるほど高く澄んだ鈴の音で鳴り響いて、胸を締めつけるから、せめて周りには聞こえないように、私はプリントを指で千切る」平成16年(2004年)、文学界に激震が走りました。19歳の少女が芥川賞を受賞し、同賞の最年少記録を塗り替えたのです。ひとりぼっちのハツが抱く淡い期待と裏切られることへのさびしさ。そして、周りを気にせず生きることへの憧れ。幸せに生きてきただけでは描けない痛々しさが詰まった作品です。

スティーブ・ジョブズがデザインしていた未来 : アップル、アマゾン、グーグルが考える新時代のビジネスモデル』、川北蒼、総合法令出版、2014年

 平成23年(2011年)10月5日、人類に革新的な製品を与えてくれたスティーブ・ジョブズが亡くなりました。これから、IoT(モノのインターネット)の時代が到来します。本書は「IoTとは何か」から、「IoTを用いたビジネスモデル」の具体例と今後の課題など、今は亡きスティーブ・ジョブズが思い描いていた未来を皆さんと共に読み解く本です。もし、現在もスティーブ・ジョブズが生きていたならば、どのような革新的製品が世に発表されていたのでしょうか?

ど田舎うまれ、ポケモンGOをつくる』、野村達雄、小学館集英社プロダクション、2017年

 平成28年(2016年)7月6日、スマートフォンアプリ「ポケモンGO」が発表され、一躍ブームとなりました。この本は、そんなアプリを開発したゲームディレクターの自伝です。幼い頃の中国の田舎暮らしから、筆者がアメリカのナイアンテックで勤務するまでの経緯、ポケモンGO誕生の裏側などが記載されています。ポケモンGOで遊んでいる方だけでなく、エンジニアやアプリ開発に興味のある方は、ぜひ読んでみてください。