【特集図書・2018年4月】

 こんにちは!学生ライブラリースタッフです。
 
 今回お届けする特集図書、テーマは『新生活を迎える方へ』です。新年度になり新入生、在学生とも新たな環境での生活が始まることと思います。立命館大学図書館では蔵書数およそ300万を誇る環境を利用することができます。今回は別れと出会いが共存するこの季節に期待と不安を胸に新たな生活が始まる複雑な気持ちを持つ方にぜひ手にとって頂きたい図書を紹介します。

34丁目の奇跡』、ヴァレンタイン・デイヴィス著・片岡しのぶ訳、あすなろ書房、2002年

 マンハッタン34丁目にあるメイシー百貨店のおもちゃ売り場にサンタクロースにそっくりな一人の老人が雇われた。彼は本物のクリスマス精神の持ち主で、「わたしはサンタクロースです」といつも周囲に話していた。しかし、つらい経験をしたドリスと彼女に育てられた娘スーザンには夢というものが全くなく、サンタクロースのことも信じていない。この小説は信じる気持ちは常識を超えるということを教えてくれます。

カラフル』、森絵都、文藝春秋、2007年

 「おめでとうございます、抽選に当たりました!」生前にあやまちを犯した僕の魂は、天使の抽選により、再挑戦のチャンスを与えられる。再挑戦では、下界で他人の体に潜り込み、生前に犯した自らのあやまちを思い出さなければならない。この本では、普段見えている一色ではなく、人はそれぞれ明るい色や暗い色など様々な色を持っているということに気づかされます。

卵の緒』、瀬尾まいこ、新潮社、2007年

 「僕は捨て子だ。子供はみんなそういうことを言いたがるものらしいけど、僕の場合は本当にそうだから深刻なのだ。」自分のことを捨て子であると思っている僕はへその緒を見せてほしいと母に頼む。しかし、母は卵の殻を見せ、僕を卵で産んだなんていう。ただ一つ確かなのは、母は誰よりも僕を愛してくれる。親子の強いきずなと母の愛情にあふれた作品集です。

晴天の迷いクジラ』、窪美澄、新潮社、2012年

 激務に加え、祖母の死、恋人の浮気によりうつを発症した由人。潰れそうな会社の社長の野々花は、人生を終える決意をしていた。二人は人生を終える前に、湾に迷い込んだクジラを見に行くことになる。道中で同じく生きることをやめようとしている女子高生に出会う。
 この小説では、うまくいかない人生がリアルに描かれています。そのような人生の中で、ラストにみられる少しの希望に勇気をもらえます。

ウィンター・ホリデー』、坂木司、文藝春秋、2014年

 夏休みのある日、元ヤンキーでホストだった沖田大和のもとに小学生の息子である進が突然現れる。大和は息子のために宅配便のドライバーへと転身する。そして冬休み、再び期間限定の親子生活がはじまる。しかし冬休みにはクリスマス、お正月、バレンタインとイベント続きでトラブルもたくさん。親子生活の中で成長していく大和と進が描かれています。この本を読むと幸せな気持ちになれるはずです。

荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論』、荒木飛呂彦、集英社、2011年

 荒木飛呂彦先生は、独特な世界観を持つ有名な漫画家ですが、絵が特徴的なことから、その作品をまだ読んだことのない方も多いのではないでしょうか?本書は、『ジョジョの奇妙な冒険』などのルーツとも言えるホラー映画について独自の理論を展開しています。純粋な映画評論としても面白いので、荒木先生のファンでなくても楽しむことができます!