【特集図書・2018年3月】

 こんにちは!学生ライブラリースタッフです。

 今回お届けする特集図書、テーマは『女性』です。先月はバレンタインデー、今月はひな祭りと女性に関わる行事が多いですね。そこで、今回は女性に関わる本の中から学生ライブラリースタッフがお勧めする5冊を紹介します。この機会にあなたもジェンダー、仕事、歴史といったさまざまな視点から、一度女性について考えてみてはいかがでしょうか?

お姫様とジェンダー : アニメで学ぶ男と女のジェンダー学入門』、若桑みどり、筑摩書房、2003年

 シンデレラや白雪姫などの「プリンセス物語」をよく考えてみると、主人公の女の子は、お金持ちでかっこいい王子様を待っているだけで自分からは行動していません。また、王子様は主人公を美しさと従順さで選んでいます。この本では、「プリンセス物語」を男性優位社会の根源だとして批判しています。自分の子どもができたときに「プリンセス物語」をどう読ませるか、考えさせられる一冊です。

「女子」の時代!』、馬場伸彦・池田太臣、青弓社、2012年

 2000年代以降、オトナ女子や女子マンガ、女子会や女子力などの言葉が浸透してきていますが、それはなぜ広まってきているのかについて述べた一冊です。各章自律して書かれているため、関心のある章から読むことができます。この本は「女子」について多面的に論じているため、男性諸君は複雑な女性心理を理解することができるでしょう。また、女性は自分を客観的に見ることができます。従来のジェンダー論ではない新たな女子文化論が書かれている一冊です。

この愛のゆくえ』、中村邦生編、岩波書店、2011年

 太宰治や芥川龍之介、宮沢賢治など、著名な作家たちの小説が「愛」というテーマを基に、一冊にまとめられています。この本には彼らの思い描いた26通りの愛が詰まっています。狐と話す木の女性、別れ話をすることが昔から夢だった男性と付き合う女性。愛を通して、自分が想像したことがないような様々な女性と出会うことができる一冊です。

置かれた場所で咲きなさい』、渡辺和子、幻冬社、2012年

 この本はシンプルだけど深い、そんな名言たちで溢れています。一人の女性の苦労、体験を通して生まれた言葉、考え方は不満やネガティヴな考えを持っているときに穏やかにしてくれるはずです。自分の人生、考え方を見つめ直すきっかけになる本です。

マリー・アントワネット : フランス革命と対決した王妃』、安達正勝著、中央公論新社、2014年

「国王万歳!王妃万歳!」かつて迎えたバラ色の歓待は、「処刑!処刑!」と革命願う鈍色の罵声へと変わる。名門ハプスブルク家に生まれ、ルイ16世に嫁ぎ、ギロチンで首を落とすまで、彼女は何を考え何を成そうとしたのか。マリー‐アントワネットの女性像に重点を置き、歴史の変換点での行動原理を先行研究も踏まえつつ、追っていく。
 彼女は近代女性の特徴を持つ力強い「女性」ではあったが、それは当時のフランスが求める「王妃」の姿ではなかったのだ。